彼が本来の歴史のハインと同様に邪悪なのだが【悪役令息はママが好き(1)】

あらすじ
アステールの血を引く者は魔術に優れてしまう事甚だしく、特別にハイン・セラ・アステールはアステール史上イチバン強大な魔力を掌握する麒麟児であった。
”元来の歴史”では此奴は自意識過剰で邪悪な絵に描いたような悪役貴族であったのですが、並行ワールドでは一味違う。
いや、二味違う。
一味目は、此奴が極度のマザコンだと延べる点だ。
平行ワールドのハインもまた元来の歴史のハインとおなじように邪悪なのですが、母への愛が魔と邪を包み潜伏させる。
勇者も聖女も元婚約者も、カレに言わせればどうでもいいことだ。
ハインはただ母とそっと安らかにくらしたいのみで、それを障害する者すべて合財が彼の敵でヤンス。
では二味目はつったら、それは此奴が元来の歴史のハインよりも遙かに強大な魔力を有し、遙かに強大な魔術を操ると延べる点だ。
愛でている母に格好いい姿を見せたいがタメに精進を重ねた天才──ハインにムチャはない。